あなたはなぜその国へ? #10 〜パリ編〜

海外移住をした女性たちへインタビュー。今回はフランス、パリで食ライターとして活動する川村明子さん。豊かな食文化が根ざす国フランスの魅力を、雑誌、著書、テレビ番組など様々な形で届ける彼女に、渡仏21年のこれまでの経緯や、パリでフリーランスとして生きていく心構えなどを伺いました。
◆Profile◆
川村明子(@mlleakikio)/食ライター/40代
移住国:フランス/21年

Q1:その国に移ろうと決めたきっかけは?
「大学3年の冬、初めてパリを旅行で訪れたときに、空港から市内のホテルへ向かう途中、コンコルド広場を通ったところで「あ、私ここに住む」と、ストンと思いました。帰国後、就職活動はせずに留学の準備を始め、大学の卒業式の1週間後に渡仏しました。」

Q2:移住後、どんな仕事をどのようにしている?
「フリーランスで、食に纏わる記事の執筆やドキュメンタリー番組の制作をしています。日本企業からの依頼で、フランスのシェフとの橋渡しをすることもあります。昨年末に4冊目となる自著『日曜日はプーレ・ロティ』が出ました。」

Q3:ライターのジャンルも様々だが、『食(フード)』に特化した理由は?
「渡仏後、まず語学学校に通ってから、料理学校に入学しました。パティスリー・料理と学んで卒業後、レストランで研修をしていたこともあってか、はじめはジャンルを問わず依頼のあった仕事が、いつからか食だけになっていました。」
Q4:移住前の自分にアドバイスできるなら、どんな言葉をかける?
「特に無いです。逆に、「もう一度、渡仏前のあの頃と同じことを自分ができるか」と考えることは、定期的にあります。そして毎度、あれをもう一度はできないなぁと思います。それくらい、まっすぐに迷いなく前へ前へと進んでいました。」

Q5:移住の決め手となった一番の動機は?
「どうしてもフランス語が話したかったことです。」

Q6:移住前と後、最もギャップを感じたことは?
「ギャップを感じたことはありませんでした。逆に、ギャップを感じるだろうと思っていたのに、実際にはそうでなかったことがあります。それは、学校で学んだフランス語と現地でのフランス語。フランス人が日常的に使っているフランス語は、学校で習っているものと全然違うのだろうなぁと想像していたら、そんなことはなかったです。言いまわしや熟語は口語ならではのものがたくさんありますが、目上の方と話す場合など丁寧な話し方になるときには、もう本当に教科書通りの言葉遣いになるので、『勉強しておいて損はなかったんだな』と嬉しくなりました。」

Q7:その国に住んでて『正直これはキツイ...』と感じることは?
「難しいことはいくつもありますし、自分自身の問題でうまくいかないことがあってキツイ、と感じることはあっても、この国に住んでいることでキツイ、と感じることはないように思います。」

Q8:日本にもあったらいいのに、と思うその国の魅力的なサービスは?
「習慣やシステムで良いなぁと思うものはあっても、サービスでは思いつかないです…。」

Q9:フリーランスであり続ける事で苦労した点は?
「休みをうまく取ることができず、週末がないままにまた新たな1週間に突入することを繰り返しているため、疲れから回復しないままで体がもたなくなってきていると、最近感じているところです。」
Q10:もしも自由に違う国・都市へ移ることができるとしたら、どこを選ぶ?
「旅行するたびに「ここに住みたいかなぁ?」と想像してみますが、いまのところ、住みたいと思ったところは、パリの他にないです。」

Q11:その国で働くのに必要な心構えと、身につけたいスキルは?
「働くのに、というだけでなく、暮らすのに、と言えるかと思いますが、まずは言葉。あとは、役所ごとでも担当者によって言うことが全然違うので、それが当たり前だと思うことでしょうか。」

Q12:その国で、日本人の強みを活かしたおすすめの職業はある?
「日本人の強みってなんでしょう? その人独自の強みを活かせば良いと思います、何をするにしても。」

Q13:あなたは10年後どこで何をしていると思う?
「どこにいるでしょうね〜 書くことは続けていて、畑を耕しているかもですね。」

Q14:海外に移住したい、海外で働きたい人に向けて一言声をかけるとしたら?
「いいじゃん!行きなよ!」

Q15:あなたのモットー(座右の銘のようなもの)は?
「いつでもおいしく食べられるよう心身ともに健康でいること。」


《編集後記》
初めてパリに訪れた時に「ここに住む」という直感があったというだけあって、味覚だけでなく様々なことに対して敏感で、五感が働く方なのかなぁと思いました。それは川村さんの記事にも表れていて、食を通してフランスの文化、魅力に触れられる内容で、パリに行く予定がなくても多くの方に読んで頂きたいです!(ELIE from Paris)

lander laboはクリエイティブカンパニーLanderが運営しています。
lander laboに関する各種お問い合わせはLanderのHPのCONTACTフォームからご連絡ください。

lander labo

リモートワーク × 女性 × セカイ 世界各国で暮らしたり旅しながら映画や広告の第一線で活躍できるのはなぜ⁉️ 女性たちが世界中からリモートワークで働くクリエイティブカンパニーLander Incの働き方を紐解くことで今を生きる女性へ自分らしくあるヒントを届けるコミュニティ型メディアです。

0コメント

  • 1000 / 1000